【治療体験記】カテーテルアブレーションで不整脈を治療した話
こんにちは。
みなさんは不整脈ってご存知でしょうか?
恐らくご存知の方も多いと思いますし、自分がそうです、って方もいらっしゃると思います。
不整脈という症状自体はインターネットで検索すると色々なサイトがあり、詳しい説明がなされています。しかしその一方で、実際に治療を受けたときの体験記などはあまり多くないようです。
実は私は2度、不整脈の治療をして頂いた経験があります。そこで、これから治療する方の参考になればと思い今回記事にまとめようと思いました。
不整脈とは?
不整脈(ふせいみゃく、英語: Arrhythmia)とは、心拍数やリズムが一定でない状態の事を言う。また心拍や脈拍が整であっても、心電図異常がある場合は臨床的には不整脈である。
引用元 不整脈 - Wikipedia
詳しくはネットで調べて頂けたらと思います(詳しい定義や説明、治療法、病気との向き合い方などの情報が欲しい方はこの記事を参考にしない方が良いと思います)。
私が治療を行うときに医者の方から聞いた簡単な説明は以下のようなものであったと記憶しています。
不整脈とは一般に脈の打ち方がおかしい状態のことです。例えば私の様に脈が速いと、運動していなくても動悸がして、胸が痛くなったりします。
脈のリズムがおかしいということは、血液を送り出すために必要な心臓の鼓動のリズムに異常があることになります。心臓は内部で発生する電気信号によって鼓動するので、そのあたりがうまく機能していないことが問題だそうです。
不整脈にも幾つかの種類があり、その治療法もまた多いです。ですので、病気について知りたい方は、専門家のサイトなどを見て頂くのが良いと思います。
不整脈の治療法について
私のような脈が突然速くなるような不整脈の治療法として、私が受けたカテーテルアブレーションというものが挙げられます。
カテーテル : 医療用に用いられる柔らかい管のこと
アブレーション : 取り除くこと
カテーテルアブレーションは簡単にいうと、血管を通して不整脈の原因となる箇所まで
カテーテルを伸ばし、問題の箇所を焼くという治療法です。
特徴としては外科的な手術と比べて、患者への負担が挙げられます。
不整脈の治療体験記
私の不整脈が見つかり、治療を決意し、治療で行ったことや私の感じたことについてお話ししていきます。
高校生の時に不整脈が見つかる
私が中学生の時までは健康診断では特に異常は見つかっていませんでした。ところが、高校生になって最初の健康診断で、人生で初めて健康診断で引っ掛かりました。
お医者様「不整脈、心臓の病気です」
…( 一一)?
し、心臓の病気…!!?
一瞬心臓がとまりかけました笑
しばらくして大きな病院に行って診てもらうと、命にかかわる不整脈ではないけど、自然に治ることはないと教えて頂きました。
治療することもできるが、特に自覚症状もなかったため、しばらくは経過観察ということで、定期的に病院に通いました。ときにはホルター心電図といって24時間、体にシール状の電極を貼り、心臓の動きを記録する検査をしました。
ちなみにこれ、その日はお風呂にも拝礼ないし、寝る間も付けたままです。
私はアトピー性皮膚炎ですので、非常に痒かったのを覚えています。
治療を決意する
不整脈の経過観察は大学入学まで続きました。このころになると、このままずっと病院に通い続けるのも面倒臭いし、いずれは治療をしてもらうおうと考えていましたが、怖くてなかなか踏み出せませんでした。
しかし、社会人になった後では連休を取るのもなかなか難しくなります。そこで、大学初年度の夏に治療を受けることを決意しました。
治療費と通院費を出してくれた両親には本当に感謝です。
その旨を先生に伝えると、具体的な治療法やリスクや最悪の事態についてなど詳細に説明を受けました。インフォームドコンセントってやつですね。
ところで、私は血がかなり苦手で、イメージするだけで気持ち悪くなります。例えば血液型を調べるための採血中に気を失いましたし、腕を圧迫して血圧を測るだけでも目の前が白くなっていきます。腕時計でさえも気になります。
ですので案の定、話の途中で気持ち悪くなってしまいました。そこで一度、ベッドで寝転がった状態にならせて頂き、その状態のままで説明を受けました。このように終始、気を遣ってくださった先生や看護師の方々にはとても感謝しています。
一度目の治療
さて、いよいよ人生で初めての手術です。
スケジュールは初日に入院し、二日目に治療、三日目に退院です。
手術にしてはだいぶ短いですよね。
病院に着いてから、部屋に入ると既に3人、それぞれのベッドにいらっしゃいました。
どうやらその部屋は心臓が悪い方の部屋みたいです。
話してみると皆さまは私の2倍は生きてきた人生の先輩方で、入院の経験も多いようでした。
内容はあまり覚えてないのですが、色々なお話をしました。いろんな人生があるんだなぁと思いながらお話を聞いていたことは記憶にあります。
それと私の治療について。血管に管を通す、心臓を焼くと聞いてすごく怖がっていたのですが先輩方曰く、口から管を入れるよりは負担が少なくて楽だそう。
さて、私の最初の難関は採血でした。
私は血が苦手で、なおかつ初の治療で不安だったのでそれはもう本当に恐れていました(こんなんで治療大丈夫か?笑)。
そこで今回は、この記事にあるようにベッドに横になり、音楽を聴きながら採血をして頂きました。看護師さんやさしい。
汗だくになりながらもどうにか気を保って採血終了、よくやった自分、ありがとう看護師さん。
落ち着いてしばらくすると昼食を頂きました。病院食って薄味というイメージがあったのですが、私は基本的には健康ということで味もしっかりしていましたし量もそこそこありました。普通においしかったです。
続いて午後になると、点滴が始まりました。左腕の血管に管を刺されます。
刺すこと自体はいいのですが血管に異物があるというだけで辛いです。加えて腕を見ると普通に血液が見え(た気がし)て気持ち悪かったです。風呂に入るときなんてそりゃぁもう気が気じゃありませんでした。
看護師さんの指示なのでもちろん従いますが、まだ元気なこの時間に付ける必要はあるのか…なんて思いながらうんうん唸っていました。
また、腕と脚の毛とあそこの毛を剃りました。これらは治療の邪魔になるようです。下の毛は元の長さになるまでだいぶ時間がかかりました笑
夕方になると夕食を食べて、暇を潰してから就寝しました。この時間になると腕に刺さっている管も当初ほどは気にならなくなっていました。
翌朝、起床して今日が治療の日であることを自覚しとても憂鬱な気分になりました。
とはいっても確実に治療の開始時間が迫ってきます。
時間になると、ベッドで横になった状態で手術室に運ばれます。
これがまた緊張しました…
この着実にその時が迫ってくる感じが不安を煽ります。
手術室に入ると非常に多くの方がいらっしゃいました。この治療は簡単で人でもあまりいないと思っていたのですが、この光景を見て結構安心したのを覚えています。
私のお願いで、手術の前に静脈内鎮静法という麻酔を受けました。
これは血管内に鎮静剤を注入し、うとうとした状態になるようなものと説明を受けています。これは私みたいに治療に大きなストレスがかかることが予測される場合に使用されるようです(これは余談ですが、歯医者で歯の神経を抜くときにも静脈内鎮静法をお願いしました)。もちろん局部麻酔は別に行います。
うとうとするといってもその程度もわからないので、なお不安でした。
しかし、麻酔の注入を行って以降、すぐ眠ったみたいで手術中の記憶はほとんどありません。
覚えているのは中盤です。医者の方に声を掛けられて目が覚めました。
どうやら、カテーテルが心臓の治療箇所にまで達して、患部を焼く段階みたいでした。
恐らく、実際に治療を行う時には患者の麻酔の量を調節して意識をある程度覚醒させて反応を見ながらするのかなと思います。
目が覚めた私がまず意識したのが、足の付け根です。ここはカテーテルが刺さっている箇所で恐らく出血しているし、カテーテルを動かすとその箇所を擦ってまた出血するはずです。ですので、またすごく怖くなって気が動転する…と思ったのですが、鎮静剤が聞いているのかとても落ち着いていました。すごいぞ、静脈内鎮静法。
その一方で、血管の中にカテーテルにはほとんど意識が向きませんでした。全く違和感もなかったです。
で、医者の方から、今からちょっと胸が熱く感じるかもしれませんが、大丈夫的なことを伝えられます。なるほど、この直後、患部を焼くのか…
そして次の瞬間、確かに胸が熱くなりました。とはいっても、鎮静剤のお陰かもしれませんが、怖かったり、不安になったりすることはなくただ胸が暖かいなぁという程度でした。これが終わると(恐らく)薬の量を調節してもらって、また眠りました。
次に目が覚めると部屋に戻っていました。体感的には本当にあっという間でした。
本当にほとんどストレスを感じずに治療は完了しました。鎮静法すごい…!
さて、治療自体は終わったのですが、目を覚ました後もしばらく不便が続きます。
治療後は足の付け根からの出血を抑えるために、その日寝るまでベッドで寝たままです。
ですので、私のあそこには尿道カテーテルが付いていました。挿入は手術中にやって頂いたようです。初めての尿道カテーテルだったのでちょっとだけ気持ち悪かったです。
一つは足の付け根に強い圧迫感がありました。これは出血を抑えるためのものですが、血が滲んでいそうだったので絶対に見ないようにしていました。
また、食事はこの状態では食べられないので親に食べさせてもらいました。
私の記憶の中で初めて食事を人に食べさせてもらった経験です。
で、このじーっとしている時間が私には地味に辛かったです。右足の圧迫感が…
夜になると看護師の方に足の付け根の抑えと尿道カテーテルを取って頂きました。
尿道カテーテルを抜くときは思ったよりは痛くありませんでしたが、抜くときは緊張して内股になっていました笑
そして立てるようになった私は病院内を少し歩いてみました。たった一日寝ていただけで歩きづらさを感じました。
一日でこれだと、何日も入院して立っていない人はどれだけ筋力落ちているのだろうか…とか考えてました。
手術当日はほとんど動いていないので疲れてないと思ってたのですが、実際にはかなりぐったりでした。どれだけ禁漁していたんだ笑
その日はあっという間に眠りにつきました。
翌日、退院です。とくに何もせずただ待っている内に親が迎えに来てくれました。
尿道カテーテルを出し入れしたときに傷ついたのか、退院した日は小便をするときに若干の痛みを感じましたが、それ以外には特に不便しませんでした。いつも通りです。
予め聞いていましたがやはり負担が少ない治療なようです。
さて、この治療で不整脈が治ったかのかというと…
残念ながら治りませんでした…
術後数か月経っても、心電図を取ると不整脈と思われる所見があるようでした。
元々、私のケースでは完治率が6~7割(私の記憶では)と聞いていたので、残念だなぁといった感じでした。
ポケモンでいうと「かみなり」や「ふぶき」が外れるようなものです。よくあるよくある。ただ、今回の治療でお医者さんが私の不整脈の原因の箇所に確信を持ったようで、次こそは上手くいく確率が高いと仰っていました。
それで、ここで私はもう一度治療をお願いしました。またしても治療費を親に払って頂きました、本当に感謝です。
体力的な負担が少ないからといっても私的につらいものがあったので若干気が引けましたが、やはり学生のうちに完治しておきたいという気持ちが勝りました。
二度目の治療
さて、二度目の治療です。
一回目と違ったことを中心にお話ししていきます。
今回はだいぶ採血に時間がかかりました。前回と何が違うのかわかりませんでしたが、どうやら緊張して血管が細くなってしまったようで、看護師さんが何度も採血を試みてくれました。申し訳なかったです…
もう一つは、一回目は麻酔で寝た後に尿道カテーテルを入れましたが、今回は手術室に移動する前に、麻酔なしで入れてもらいました。
心の中でなぜ今入れる必要があるんだ…なんて思っていましたがお医者さんがそう決めたのだから我儘言ってはいけないと思い、心の準備をしました。
さて、管を見るとゴムみたいな素材でしたがこの大きさが尿道に入るのか…!?と感じました。
入れるときはやはりそれなりに痛かったですが、それも一瞬です。
その他には特に前回と変わったこともなく、手術室に運ばれました。
二度目も一度目と同様に静脈内鎮静法でうとうとした状態での治療です。
今回は眠るまでに時間がかかっており、手術室のベッドの上で寝ている時間が長く感じたことを覚えています。もう心に余裕が無いので、意識がはっきりしていて怖いと医者の方に思ったままを伝えて、しばらくするとばっちり眠っていました。
これって何回もやっている内に効かなくなってくるとかあるんですかね。
目が覚めると一度目と同様にベッドで動けない状態で、ひたすらスマホを見ていました。
時間が来て、歩けるようにしてもらって、翌日特に問題なく退院しました。
この治療の後、数か月経過した後に何度か心電図を取りましたが特に異常は認められませんでした。お医者様には特に問題なければ次は来なくても大丈夫と伝えられています。
ですので、私的には完治したものと思っています。
かくして、長きに渡る不整脈とのお付き合いが終わりました。
治療をしてくださったお医者様や看護師の方、私の治療費を払い、また入退院や入院中のお世話をしてくれた両親に感謝です。
まとめ
今回は私の不整脈をカテーテルアブレーションで治療した、という内容でお話ししてきました。
血液が極めて不得意な私が、カテーテルアブレーションを行ってどのように感じたのか、ということが伝わっていれば幸いです。
総じて、血が苦手な私でも大きな負担(精神的なものも含む)は感じなかったです。医療の技術に感謝です。
もし聞きたいことなどがございましたら、気軽にコメントなど頂けたらと思います。
それでは。